乳癌とわかった当初、私は、手術などの外科的な処置はやむを得ないと思いつつも、抗がん剤治療は絶対やらないと心に決めていました。
本やネットなどで、抗がん剤は薬剤メーカーの金儲けのためにあるとか、
癌で亡くなる場合は、癌そのものではなくて、抗がん剤による別の臓器の機能不全によるものが多いとか、色々な情報を見聞きしていたからです。
また、私が中学生だった時、母を大腸癌で亡くしたのですが、その際、母が受けた抗がん剤の凄まじいほどの副作用を、目の前で見てきたことも理由としてあります。
夜中、母が吐き気で何度もトイレに行く物音で気付き、朝方まで何度か付き添いました。
母は、辛くて意識が朦朧としているのか、足取りがとても危なくて、壁や家具などにぶつかってしまうのです。
とても一人では歩けないくらい衰弱していましたので、私も怖くなって、部屋からトイレまで肩を持って付き添いました。
ゲーゲー吐き続ける母の背中をさする度、すっかり痩せてしまって骨ばった背中がとても哀れで、今思い出しても、本当に辛い出来事でした。
その当時(20数年前)は、本人への癌宣告は主流では無く、母が癌だということは、主治医から父にしか知らされていませんでした。
よって、私はもちろん癌の治療法などを知る術もなく、抗がん剤治療のことなども全く知識がなかったので、この副作用を急に目の前にして、本当に怖かったです。
よって、私は絶対抗がん剤治療は受けない!と心に決めて、半断食や、免疫治療や、高濃度ビタミン点滴、BAK療法など、様々な治療を1年半の間試してきましたが、癌が消えることはありませんでした。
(※私の治療記録というページで、手術にいたるまでに試した様々な治療法や経緯を、少しずつUPさせていただこうと思っておりますので、併せてご覧いただければ幸いです)
私の場合は、自分の貯金から出せる治療費の限度と、会社を休ませていただける期間が決まっていましたので、その期間内に試した治療で癌が小さくならなければ、全摘手術を受け入れるということを、自分の中で決めていました。
結果、その期限を過ぎてしまった為、非常に残念でしたが、諦めて手術を受けることにしたのです。
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抗がん剤治療を受けると決めた経緯と理由
全摘手術が終わって、ベッドで目が覚めた時に、一番最初に主人に訊いたのが、
「リンパへの転移はなかったか?」ということでした。
私が全摘手術をしていただいた病院では、手術中にセンチネルリンパ節生検をし、リンパ節に転移がなければ、腋窩リンパ節郭清はしなくていいということを、手術前に説明されていました。
そして、もしリンパ節に転移があった場合は、同時再建(エキスパンダーを入れる処置)は出来ず、腋窩リンパ節郭清をすることになっていました。
よって、リンパへの転移が無くリンパをとらなくて済んだことと、無事エキスパンダーを入れてもらって同時再建手術が終えていたことに、心底安堵しました。
しかし、手術をしてから1ヶ月ほど経ってから再度病院を訪れ、術後病理結果を聞いた時、手術中の簡易検査(センチネルリンパ節生検)ではわからなかったが、精密検査をしたら、リンパへの転移があったということを告げられました。
リンパを2つ取ったうちの1つ(2.5mm)に、転移があったと言われたのです。
そんなこともあるものなのですね!
一気に奈落の底に突き落とされた気分でした…。
今後の治療方針としては、予後のために、抗がん剤は絶対すべきだと、主治医には言われました。
もしくは、40万かかるというオンコタイプDXという検査をし、抗がん剤治療がきかないタイプだとわかった場合は、抗がん剤治療を免れることが出来るそうですが、40万かけたとしても、効果があるとわかった場合は、抗がん剤は受けなくてなりません。
それまで、絶対抗がん剤を受けないと決めていた私ですが、
主人に、「だから早く手術を受けた方がいいって言ったじゃない」と言われてしまい、小さくなってしまいました。
また、癌だということをずっと隠してきた義理の母にも心配をかけてしまった為、もう自分自身の意見だけで押し通すことは出来ませんでした。
知人から、「抗がん剤治療は、元気で体力がある時期じゃないと受けられないんだよ 」という言葉も聞きました。
これ以上酷くなってから抗がん剤を受けるということになれば、それこそ、自分の命を縮めることになりかねませんが、今だったら、体力もありますし、リンパから体内にまわってしまっている癌細胞の進行を食い止めることが出来るかもしれません。
自分はこれで大丈夫!と思って、自信を持ってすすめてきた様々な治療法でしたが、結果はリンパに転移してしまっていたので、しょうがない、ここで素直に抗がん剤を受けてみよう、人生何事も経験だ、と思うに至りました。
ある人からも言われた「癌は、頑固な人がなる病気だよ」という言葉も頭をよぎりました。
負けたー!と悔しかったですが、しょうがないですね。
心配してくれる家族のためにも、ちゃんと受けようと思いました。
子供の頃のトラウマを話すと、主治医曰く、吐き気止めも一緒に投与するから、昔の治療とは違ってゲーゲー吐くことはないと思いますよ、とのこと。
実際、4回受けましたが、吐くことは一度もありませんでした。(抗がん剤で胃の粘膜がやられ、胃が痛くなって吐き気を感じることはありましたが)
子供の頃の辛い記憶を思い出す度、心が揺れましたが、私が選んできた方法では癌の腫瘍を小さく出来なかったという事実もあり、今回は主治医の言うことを素直に受け入れることにしたのです。
私が受けた抗がん剤の治療法(薬剤名)
私が受けた抗がん剤治療は、q3w TC療法 というものです。
タキソテール(成分名:ドセタキセル)と、エンドキサン(成分名:シクロホスファミド)という抗がん剤を組み合わせた治療のことを言うそうです。
これらのお薬は、それぞれ癌細胞への作用や、副作用に違いがあるので、これらを組み合わせて使うことにより、癌を小さくしたり、広がるのを抑えたり、癌による症状を軽くしたりするそうです。
治療スケジュール(投与期間)について
この2つの抗がん剤を組み合わせたTC療法は、3週間に1回投与するスケジュールで、計4回受けることを主治医から提案されました。
順調に行けば、2ヶ月くらいで終わる計算です。
手術から1ヶ月半の時間が経ってから1回目の投与をスタートしました。
実際、私の場合は、子供の風邪がうつってしまったりで、何日か点滴をする予定日がずれましたが、6月頭に1回目をスタートし、8月中に4回目が終わりましたので、2ヶ月内で治療は終わりました。
しかし、その後も副作用は続き、結果6ヶ月くらい身体は辛かったです。
投与の方法について
私の病院では、1回目は1泊だけ入院する必要がありました。
副作用の出方など、何かあった時にすぐに病院で対処できるようにするためだと思います。
2回目からは、日帰りの通院で受けました。
半日潰れるくらいの時間がかかりました。
抗がん剤治療を受けてみて
副作用には様々なものがあり、本当に辛かったですが、
1年経った今では、手のしびれや、爪の着色などの副作用も一切なくなり、髪も綺麗に生えてきました。
また、閉経してしまうことも心配でしたが、結果生理も無事復活し、体力も戻ってきました!
色々な方のブログやネットの情報などでは、抗がん剤治療を受けたくても受けられないという状態になることもあると知り、
体力のあるうちに、受けておいてよかったのかも…と今では思えています。
現代の医療でやれることは全てやった!という安心感もあります。
私が感じた副作用や、抗がん剤治療中に試してよかった対策などは、また別記事でご紹介させていただきますね。
最後までお読み頂きありがとうございました♪
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