同じ病院で、手術と再建を行う方が多いのかもしれませんが、
私の場合は、乳癌の全摘手術と、再建手術と、それぞれ別の2つの病院で行いました。
乳癌の摘出手術をしていただいた病院は、千葉の鴨川にある亀田クリニック いう病院で、
再建手術は、東京 品川にある別の再建専門医のブレストサージャリークリニック です。
亀田クリニックで再建手術をすることも出来たのですが、
私が乳癌の摘出手術をする決心が出来たのは、ブレストサージャリーのI先生のカウンセリングのお陰で、
I先生に綺麗にしていただける希望を持てたからこそ、癌の摘出手術を受けることを決断できたのです。よって、再建はどうしてもI先生にお願いしたかった!
亀田クリニックも非常にいい病院で、F先生の腕も確かだと思うのですが、再建に関しては、少々相談しづらい感じがありました。
それだけ腕のいい先生だからなのでしょうが、全国から患者さんが集まるからか、先生も非常にお忙しそう。
診察時も後ろに沢山の患者さんが待っていらっしゃると思うと落ち着かず、
再建のことを相談しようにも「まずは全摘手術をしてから」という雰囲気で、乳癌摘出の手術前に、再建の実例写真をじっくり見せていただくようなことはできませんでした。
綺麗に治せることがわかれば、全摘手術にもしぶしぶ同意出来たかもしれませんが、いくつかセカンドオピニオンで訪れたどの病院でも、乳腺科が男性の外科の先生で、
「命が惜しければまず(癌の摘出)手術をしなさい!再建のことはそれから!」
というご意見ばかりで、決心が出来なかったのです。
小さな子供を抱えている母親にあるまじき決断力の無さですみません…。
当時は精神的にも肉体的にも疲れていて、
「胸が醜くなるくらいならもう死んでもいい!」
というか、ちょっと休みたい。
死んで楽になってもいいかも…なんて思ってしまうくらい、思い詰めていたんです。
スポンサーリンク
乳癌の摘出手術と再建の病院を別にした理由
ブレストサージャナリークリニックは、再建や美容の方に特化しているため、癌の摘出手術や治療を行うことは出来ません。
また、場所の問題もありました。
亀田クリニックは、診察は京橋で受けられますが、PET検査や、手術などは、房総半島の一番端の鴨川まで足を運ばねばなりません。
再建手術で、再び鴨川まで行くよりは、自宅により近い品川のブレストサージャリーで、女医であるI先生にじっくりご相談しながら綺麗にしていただこう!
そう思い、2つの病院にかかることに決めたのです。
主治医に再建は別のところで受けたいと相談
亀田のF先生には正直に、再建専門医のブレストサージャナリークリニックへ相談に行きたい、といって、紹介状を書いていただきました。
再建のカウンセリングの結果もご報告し、「癌の摘出手術は、F先生に是非執刀をお願いしたいのだが、再建手術は自宅も近い、ブレストサージャナリーで行いたいのです」と伝え、ご了解いただきました。
普通はもしかしたら嫌がられるのかもしれません。
でも私の場合は、全摘手術を長いこと渋っていたので、許していただけたのかな…。
これは本当にありがたかったですね。
私の乳癌友達の1人は、聖路加病院の先生にお知り合いがいらっしゃり、聖路加で全摘の手術を受けられました。
その場合、再建においてはブレストサージャリークリニックと正式に連携しているそうで、私のように気を使ったり、心配をしなくてよかったようでした。
再建からは、一緒に情報交換をしながら、励ましあいました。
ただし、内視鏡手術という方式はやっておらず、胸の上に一本の大きな傷があるそうです。
その部分の傷が目立たなくなるよう、ブレストサージャリーの看護婦さんに、テープの貼り方を教わっていました。
私も教えていただきましたので、よろしければ、下記の記事をご参考にしてくださいね。傷の部分が盛り上がったり、変によれたりせず、ケロイド状になるのを防ぐ方法です。
聖路加病院も、とても評判がよく、特にカウンセリングなどはしっかりしていただけるようです。
彼女もとても満足していました。
しかし、入院した際の差額ベッド費が1日3万!らしく、10日間以上の入院となるため、治療費とは別に30万以上!!
これだったら、海外旅行に行けたわ~と、彼女はぼやいていました。
普通の差額ベッド代が無いお部屋の空きは、ほとんど取れないそうです。差額ベッド代が高いのだけ、がネックだと話していました。
全摘手術の方式
ちなみに、亀田クリニックで受けた全摘手術は、傷が目立たない、内視鏡手術 という方法をとっていただきました。
これは、がんが皮膚に接していないことが条件で、乳輪と脇の下を切開して内視鏡を挿入し、手術する方法です。
脇の傷も小さく、将来的にはしわに隠れて見えなくなるだろうと思いますし、
正面から見て、乳輪の下の部分に1.5㎝程度の傷が見えるだけで済むのは、本当に気持ちが楽でした。
その傷も、時間が経てば乳輪にまぎれてわからなくなりそうです。
※内視鏡手術について詳しい説明は、亀田クリニックのHPが参考になりますので、併せてご覧くださいね。
再建の術式について
シリコンと自家組織どちらを選んだか?
私が選択した再建の種類は、人工物(シリコンインプラント)です。
この選択をするにあたっては、本を読んだり、ネットで調べたり、乳がん友達に相談したりと、本当に迷いました。
最初は、身体に異物を入れたくないし、触り心地が固い、冷たい、ということをがデメリットとしてあったので自家組織による再建を考えていました。
出産後に気になっていたお腹の脂肪を胸に持ってきたらいいかな?
なんて気楽に考えていましたが、
決定的だったのが、ある病院の先生が見せてくださった、背中の広背筋皮弁(背中の筋肉と脂肪を使う)による、手術後の写真の痛々しいこと!!!
これじゃあ、胸の傷より、背中の傷の方が目立つじゃん!
背中の傷は、直径20~30cmくらいにわたっていて、夏にビキニも(よくよく考えたらもう年齢的にも着る機会ないでしょうが!)、
チューブトップも、タンクトップも着られません。
お腹の脂肪を取る方法についても、お腹にでっかい傷が残ったら意味がありません。
乳輪の傷だけだったら、普通はブラジャーや、水着で隠れますからね。温泉でもタオルで隠せますし。
よって、感触の柔らかさは諦め、手術も日帰りで(手術時間は30分程度)で出来る、シリコンインプラントでの再建に決めました。
実際、手術したの後の感想は、確かに固さはありますが、再建した胸の方だけ、極端に冷たいという感じはありません。
よって、この再建術を選んで本当によかったと思います!
意識しないと、ピアスを付けているか、付けていないか気がつかない、そんな感じです。
術後ちょうど1カ月ですが、シリコンの胸だということは、日常生活ではほとんど忘れていられますよ。
皮膚を上から触った感触も普通にあります。ちょっと鈍い感じはあるけれど…。
私と同じような葛藤を、こちらの本の著者が非常に解りやすく書いておられますので、シリコンにするか、自家組織にするか悩まれている方は、ご覧になられてみてくださいね!
(※ただし、この本が発行された2012年時点では、シリコンインプラントによる再建には保険が適用されていなかったため、金額の部分は変わってくると思います)
背中やお腹からの自家組織による再建の補足
私も最初、勘違いしていたのですが、自家組織移植によって再建すれば、年をとれば反対側と同じように垂れていくんだろうと思われますが、
反対側の胸と同様に、しぼんだり、垂れたりするわけではないそうです。
このことは、ブレストサージャリーのI院長の書かれた本でも、詳細が説明されておりました。
だったら、痛い思いと、わざわざもう1つの傷を作ってまで、自家組織にこだわる方法もないんじゃないか?というのが、私の意見です。
同時再建について
手術時に行ったセンチネルリンパ節生検(簡易検査)では、脇のリンパへの転移が見られなかったため、
同時再建という方法で、ティッシュ・エキスパンダー(皮膚拡張器)を挿入していただきました。

これがティッシュ・エキスパンダーです
リンパへの転移が見受けられた場合は、癌細胞がエキスパンダーに付着することがゼロとは言えないため、同時再建は出来ないそうです。
私は幸い同時再建ができたのですが、
なんと、術後の病理検査でリンパへの転移が見つかり、予後のために、抗がん剤をやるはめになってしまいました…
抗がん剤は医療業界の金儲けのためで、絶対身体によくない!と、色々な情報から解ってはいたのですが、全摘手術を延ばしに延ばし、結果リンパへ転移してしまったことで、夫も心配し、
「しょうがない!何事も経験だ!」と思い、先生に勧められた方法で、4クール受けました。
抗がん剤を受けると、もう辛くて辛くて、色々なことが楽に思えてきます…(涙目)
抗がん剤については、また別途記事にさせていただきますね。
ここまでが、私が現在経験している、再建法です。
再建の傷が落ち着いた春頃、今度は乳頭と、乳輪の再建をしようかな、と考えています!
最後までお読み頂きありがとうございました♪
ポチっと応援していただけましたら励みになります!
↓↓↓

